2023.06.26
離婚時の不動産売却について解説|適したタイミングや注意点も紹介
「離婚時の不動産売却は、具体的にどう進めればいいの?」「そもそも離婚を機に、不動産は売却した方が良いの?」
離婚するにあたって不動産の売却を検討しているのであれば、このようにお悩みの人も多いかと思います。
そこで本記事では、離婚時の不動産売却に焦点を当てて、売却のタイミングや売却方法などについて解説します。併せて、離婚によって不動産を売却する際の注意点もご紹介します。
離婚時の不動産売却でお悩みの人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
離婚時に不動産売却を行った方が良い理由
離婚をするにあたって、不動産の取扱いは多くの人が頭を抱える問題ですが、離婚後に住み続ける予定がないのであれば、不動産は売却することをおすすめします。
そこで本章では、離婚時に不動産売却を行った方が良い理由について解説します。
具体的には、以下の2つです。
- 財産分与がしやすくなるから
- 住宅ローン関係のトラブルを回避できるから
財産分与がしやすくなるから
離婚時に不動産売却を行った方が良い1つ目の理由は、「財産分与がしやすくなるから」です。
財産分与とは、夫婦が婚姻生活中に共同で築き上げた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配する制度のことです(参照:法務省『財産分与』)。財産分与は2分の1ずつ分け合うのが原則ですが、お互いの合意があれば分与の割合は自由に決められます。
夫婦が婚姻中に持ち家として不動産を取得した場合には、その不動産も財産分与の対象となります。
不動産の財産分与の方法としては、夫or妻が不動産に住み続けてもう片方に代償金(不動産の価値の半分に相当する現金)を支払う方法や、共同名義にして離婚後も共同で不動産を保有する方法などがありますが、いずれも権利関係が複雑になり後からトラブルに発展することも少なくありません。
その点、不動産を売却して現金化すれば財産分与がしやすくなります。現金であれば財産を公平に分配することができ、トラブル防止や話し合いの時間短縮にも繋がるでしょう。
なお、不動産が現在いくらで売却できるのか知りたい場合には、不動産会社に査定を依頼してみましょう。その際は複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる『サテイエ』が便利です。
住宅ローン関係のトラブルを回避できるから
離婚時に不動産売却を行った方が良い2つ目の理由は、「住宅ローン関係のトラブルを回避できるから」です。
住宅ローンを連帯債務や連帯保証で組んでいる場合には、離婚によって自動的にその関係が解消されることはありません。
連帯債務や連帯保証を解消しておかないと、数年後に夫or妻が急に自己破産をするなどして、いきなり返済の責任を負わされる可能性があります。そのため、連帯債務や連帯保証をそのまま放置しておくのは、非常に危険な状態であると言えます。
また、住宅ローンの名義人でない方が離婚後も不動産に住み続ける場合において、ローンの返済が滞るリスクを防止するためには、住宅ローンの名義を住み続ける方の名義に変更する必要があります。しかし住宅ローンは多額の金額が動く関係上、名義変更はなかなか認められないのが実情です。
その点、離婚時に不動産を売却して住宅ローンを完済しておけば、連帯債務や連帯保証の関係は解消され、名義変更などの問題も発生することはありません。
離婚による不動産売却を行うタイミング
離婚によって不動産売却を行うタイミングとしては、離婚前と離婚後の2つがありますが、どちらが適しているかは人によって異なります。
そこで本章では、離婚前or離婚後に不動産売却を行うのが適しているケースについて、それぞれのメリット・デメリットにも触れながら解説します。
離婚前 | 離婚後 | |
---|---|---|
メリット | ・離婚後に夫婦間で やり取りをする必要がない | ・すぐに離婚できる ・不動産の売却活動に専念できる |
デメリット | ・不動産の売却が完了するまで 離婚できない | ・離婚後も夫婦間のやり取りが 必要となる |
離婚前に不動産売却を行うのが適しているケース
- 不動産売却の完了まで離婚を待てるケース
- 離婚後のやり取りやトラブルを避けたいケース
急いで離婚をする必要がなく、不動産売却の完了まで離婚を伸ばすことができるのであれば、離婚前に不動産売却を行う方が適しています。
離婚後に不動産売却を行う場合は、夫or妻が急に音信不通になることも多く、売却活動が難航するケースも珍しくはありません。その点、離婚前に不動産を売却しておけば、離婚後のやり取りをする必要がなく、無用なトラブルに巻き込まれる心配もなくなります。
ただし、不動産売却には半年前後の時間を要するため、それまで離婚を待てない場合には不向きと言えます。なお、急ぎで不動産を売却したいのであれば、後述の買取も検討してみましょう。
離婚後に不動産売却を行うのが適しているケース
- なるべく早く離婚したいケース
- 不動産の売却活動に専念したいケース
- 円満離婚で離婚後の連絡のやり取りに抵抗がないケース
離婚後に不動産売却を行うのであれば、不動産売却の完了を待たずに離婚できるため、早々に離婚したい場合に適しています。
また、何かと慌ただしくなる離婚前と違い、離婚後であれば不動産の売却活動に専念できるようになるため、離婚後に不動産売却を始めた方が高く売却できる可能性も高まるでしょう。
ただし離婚後はお互いに連絡が取りづらくなったり、急に片方が音信不通になったりする可能性も0ではありません。そのため、円満離婚でない場合には思うように売却活動が進まないことも多く、注意が必要です。
離婚時に不動産を売却する方法
離婚時に不動産を売却する方法としては、大きく「仲介」と「買取」の2種類が存在します。
仲介とは、間に不動産会社が入って売主に代わって不動産の買主を探してもらう方法です。一方の買取とは、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう方法です。
仲介と買取にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、状況に合わせて適切な方法を選択しましょう。なお、不動産会社をお探しであれば、一括で査定を依頼できる『サテイエ』がおすすめです。
不動産を高く売却したいのであれば『仲介』
仲介は売出価格を自由に設定できるため、少しでも高く不動産を売って多くの財産を手元に残したいのであれば、仲介がおすすめです。
ただし、仲介は一から買主を探す関係上、売却が完了するまでには半年前後、場合によっては1年以上かかることもあるため、なるべく早く売却したい人にはやや不向きと言えます。
仲介のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・高く売却できる(売出価格を設定できるため) | ・売却まで時間がかかる(半年前後、場合によっては1年以上) ・仲介手数料が発生する |
不動産を早く売却したいのであれば『買取』
買取は不動産会社に直接不動産を買い取ってもらうため買主を探す必要がなく、少しでも早く不動産を売却して早々に離婚したいのであれば、買取がおすすめです。また、買取は広告を出さないため、周囲の人に知られずに不動産を売却できる点もメリットの1つと言えます。
ただし、買取の場合の売却価格は仲介の70~80%程度になってしまうため、その点に注意が必要です。
買取のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・すぐに現金化できる(1ヶ月前後) ・周囲に知られずに売却できる ・仲介手数料が必要ない | ・仲介に比べ売却価格が低くなる(70~80%程度) |
なお、不動産会社によっては「買取保証」(一定期間は仲介で買主を探し、期限までに売れなかった場合には買取に切り替える方法)を行っている場合もあるため、必要に応じて活用しましょう。
離婚によって不動産を売却する際の注意点
離婚によって不動産を売却する場合には、注意すべき点がいくつか存在します。
そこで本章では、離婚によって不動産を売却する際の注意点をご紹介します。
具体的には、以下の4つです。
- 不動産の名義を確認する
- 財産分与は離婚後に行う
- 財産分与の期限に注意する
- 住宅ローンの残債に注意する
不動産の名義を確認する
1つ目の注意点は「不動産の名義を確認する」ことです。
不動産の所有者名義は、単独名義(夫婦どちらかの名義)と共有名義(夫婦2人の名義)の2通りがありますが、基本的に名義人でなければ不動産の売却ができないため、注意が必要です。
例えば、夫名義の不動産を妻が勝手に売却することや、共有名義の不動産を夫or妻が単独で売却することはできません。
そのため、離婚によって不動産の売却を検討しているのであれば、売却する権利は誰にあるのか事前に確認しておきましょう。
なお、不動産の名義を確認する方法としては売買契約書で確認する方法の他、法務局で入手できる登記事項証明書で確認する方法があります(※登記事項証明書は手数料を支払えば、誰でも入手可能です)。
財産分与は離婚後に行う
2つ目の注意点は「財産分与は離婚後に行う」ことです。
通常、財産分与に対して贈与税が課せられることはありません(参照:国税庁『No.4414 離婚して財産をもらったとき』)。ただし、離婚前に財産分与を行ってしまうと贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性があります。
そのため、財産分与は離婚後に行うのが鉄則です。仮に離婚前に不動産を売却した場合であっても、財産分与自体は離婚後に行いましょう。
財産分与の期限に注意する
3つ目の注意点は「財産分与の期限に注意する」ことです。
というのも、財産分与を請求できるのは離婚が成立した日から2年までと定められているからです(参照:民法第768条第2項)。そのため、財産分与の期限には十分に注意しましょう。
なお、話し合いがまとまらないなどの理由で2年を過ぎてしまいそうな場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることにより期限を伸ばすことが可能です。
住宅ローンの残債に注意する
4つ目の注意点は「住宅ローンの残債に注意する」ことです。
住宅ローンが残っている不動産を売却するためには、住宅ローンを完済する必要があります。もしオーバーローン(不動産の売却代金だけでローンを完済できない状態)であれば、不足分は自己資金で補わなければならないため、住宅ローンの残債には十分に注意しましょう。
なお、オーバーローンの不足分の資金を用意できない場合には、任意売却という方法もあります。ただし、任意売却は融資先の金融機関の許可が必要であり、手元に売却代金が残る可能性も限りなく低いため、利用するのであれば慎重に検討しましょう。
不動産を売却する際の査定はサテイエの利用がおすすめ
不動産を売却するためには、まずは不動産会社の査定を受ける必要がありますが、その際は複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる『サテイエ』がおすすめです。
サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、あなたにぴったりの不動産会社がきっと見つかります。
不動産売却を検討している人はサテイエを活用して、まずは不動産の一括査定を行ってみましょう。
離婚による不動産売却まとめ
ここまで離婚による不動産売却について解説してきました。
離婚時に不動産売却を行った方が良い理由
- 財産分与がしやすくなるから
- 住宅ローン関係のトラブルを回避できるから
離婚時に不動産を売却する方法
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
メリット | ・売出価格を設定できるため、 高く売却できる | ・すぐに現金化できる ・周囲に知られずに売却できる ・仲介手数料が必要ない |
デメリット | ・売却までに時間を要する ・仲介手数料が発生する | ・仲介に比べ売却価格が低くなる (70~80%程度) |
離婚をするにあたって、不動産の取扱いは非常に重要な問題です。早く離婚したいからといって中途半端に処理してしまうと、後々大きなトラブルに巻き込まれる可能性もあるため、注意が必要です。
また、離婚時に不動産を売却するのであれば、不動産会社選びも非常に重要となります。信頼できる不動産会社と契約できれば、スムーズに売却活動が進み、夫婦間でのトラブル防止にも繋がるでしょう。
もし信頼できる不動産会社をお探しであれば、本記事でも紹介した『サテイエ』がおすすめです。サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、この機会に活用してみてはいかがでしょうか?
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