2023.03.26
家を売る代表的な理由を紹介|理由を伝える際の注意点やコツも解説
「他の人は、どんな理由で家を売るのか知りたい」「家を売る理由は、どこまで買主に伝えればいいの?」
家を売ることを検討しているのであれば、このような疑問をお持ちの人も多いかと思います。
そこで本記事では、家を売る代表的な理由についてご紹介します。併せて、家を売る理由が売却価格や売却期間に与える影響、家を売る理由を買主に伝える際の注意点やコツなどについても解説します。
家の売却を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
家を売る理由
家を売る理由は人によって様々ですが、代表的な理由としては、以下の6つが挙げられます。
- 住み替えのため
- 相続のため
- 転勤・転職のため
- 離婚のため
- 住宅ローンの返済が困難になったため
- 不要物件の処分のため
住み替えのため
家を売る理由として、最も多いのは「住み替えのため」です。
住み替えを決めるきっかけとしては、子の出生や親との同居といった家族構成の変化や、子の進学や定年退職といったライフステージの変化によるものが多数を占めています。
その他、「今の家が古くなってきた」「もっと良い家に住みたい」という理由で住み替えをする人も多いようです。
相続のため
2つ目の理由は、「相続のため」です。
相続によって家を取得したものの、「管理が面倒だから」「固定資産税や維持費を払いたくないから」という理由で、家を売る人が多いようです。
また、相続時に換価分割(現物として残された相続財産をお金に換金し、相続人の間で分割する方法)をするために、家が売られるケースも珍しくありません。
転勤・転職のため
3つ目の理由は、「転勤・転職のため」です。
転勤や転職によって移住が必要になった際は、「賃貸に出す」「単身赴任をする」などの選択肢もあります。しかし、最近は転勤や転職を機に、思い切って家を売却してしまう人も増えているようです。
離婚のため
4つ目の理由は、「離婚のため」です。
離婚をする際には、財産分与が必要となります。財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配する制度のことです。財産分与をする際は、家が現物のままでは分配が難しいため、現金化するために家を売る人が多いようです。
また、離婚を機に実家に戻ったり賃貸に切り替える人も多く、誰も家に住まなくなったため、結果的に家が売られるケースも少なくありません。
住宅ローンの返済が困難になったため
5つ目の理由は、「住宅ローンの返済が困難になったため」です。
住宅ローンの返済が苦しくなった場合には、親族からの借金や借り換え(新たな金融機関で住宅ローンを組み直す方法)などの対処法がありますが、最近は早い段階で売却を決断する人が増えています。
住宅ローンの返済が深刻化すると、最悪の場合には自己破産に陥るケースもあります。住宅金融支援機構のデータによると、2021年の住宅ローン破綻率は3.17%という結果となっており(参照:住宅金融支援機構『統合報告書2022』)、住宅ローン破綻は決して珍しいことではありません。
しかしながら、問題が深刻化する前に家を売ってしまえば、最悪の事態は防ぐことが可能です。そのため、早めに家の売却を検討することは、賢明な判断とも言えるでしょう。
ただし、住宅ローンが残っている家を売る場合には、売却代金(+自己資金)でローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。抵当権が付いたままでは、いつ競売にかけられるかわからず、そのような物件は基本的に買主が見つからないからです。
不要物件の処分のため
6つ目の理由は、「不要物件の処分のため」です。
不動産は所有しているだけで、固定資産税や維持費などの費用が発生するため、マイナス資産になる可能性があります。また、空き家をいつまでも放置していると、周囲の景観を損ねたり悪臭をまき散らしたりして、近隣から苦情がくる可能性もあります。
そのような事情もあり、不要物件を処分する目的で家を売る人も多いようです。
家を売る理由と売却価格の関係性
家を売る理由が、売却価格に与える影響について気になる人も多いかと思いますが、結論を言ってしまうと、ネガティブな理由で家を売る場合には、売却価格が下がる可能性があります。
ネガティブな理由としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 家に土地に欠陥が見つかったから
- 周辺の治安が悪かったから
- 隣人とトラブルがあったから
- 近所に嫌悪施設(廃棄物処理場や火葬場など)があったから
これらの事項は、基本的に購入者に引き継がれるため、売却価格が下がる可能性も高いでしょう。特に事故物件(自殺や他殺などが発生した物件)は、相場よりも大幅に売却価格が下がる可能性が高いため、注意が必要です。
また、「離婚したから」「住宅ローンの返済が困難になったから」といった、個人的な売却理由であっても、売却価格が下がる可能性があります。
これらの理由は、売却価格には本来関係のないものですが、「早く現金化したい」という焦りから売り急いでしまう人が多く、結果的に相場よりも安い価格になる傾向が見られます。
家を売る理由と売却期間の関係性
家を売る理由は、売却期間にも影響します。
具体的には、ネガティブな理由で家を売る場合には、売却期間が長引く可能性が高くなります。理由としては売却価格と同様、ネガティブな理由があると、購入希望者がなかなか見つからないからです。
なお、売却期間があまりに長引くようであれば、仲介ではなく買取(不動産会社に直接買い取ってもらう方法)に切り替えるのも1つの選択肢です。
買取は仲介に比べて、売却価格が70~80%程度になってしまうものの、よほど問題のある物件でなければ、ほぼ確実に買い取ってもらえるため、一度検討してみましょう。
家を売る理由を伝える際に注意すべきポイント
購入希望者に家を売る理由を伝える際は、注意すべきポイントがいくつか存在します。
そこで本章では、家を売る理由を伝える際に注意すべきポイントについて解説します。
告知義務を守る
1つ目の注意点は、「告知義務を守る」ことです。
というのも、告知義務のある瑕疵については、売却前に必ず伝えなければならないと定められているからです。もし告知を怠った場合には、損害賠償を請求される可能性もあるため、十分に注意しましょう(参照:公益社団法人全日本不動産協会『売主の担保責任の期間制限』)。
告知義務のある瑕疵は、以下の通りです。
物理的瑕疵 | 雨漏りやシロアリなど、 物件自体に物理的な不都合があるようなケース |
心理的瑕疵 | 過去に自殺や殺人事件などがあり、 心理的な面において問題があるようなケース |
法律的瑕疵 | 建築制限や消防法違反など、 法令等により物件の自由な使用が阻害されているようなケース |
環境瑕疵 | 嫌悪施設の存在や隣人トラブルなど、 物件の周辺に環境上の問題があるようなケース |
なお、瑕疵自体が家を売る直接の理由でなかったとしても、瑕疵の内容は買主に対して必ず告知する必要があります。
全てを正直に伝えない
2つ目の注意点は、「全てを正直に伝えない」ことです。
前項の告知義務のある瑕疵については、必ず買主に伝えなければなりませんが、それ以外の物件に直接関係ない理由については、全て正直に答える必要はありません。
というのも、家を売る理由が、「離婚のため」「借金返済のため」といったネガティブな理由であると、購入をためらってしまう買主もいるからです。また、中には値引きの交渉材料にしてくる買主もいるため、注意が必要です。
よって、物件に直接関係ない理由については、ぼかした内容で回答しておきましょう。例えば、離婚の場合には「家庭の事情のため」、借金返済の場合には「住み替えのため」という伝え方で問題ありません。
家を売る理由を買主へ伝える際のコツ
家の購入希望者としては、売主が家を売る理由については、非常に関心のある部分です。とはいえ、家を売る理由がネガティブなものであると、買主の購買意欲を下げてしまう可能性があるため、どのように伝えるべきか悩んでしまう人も多いでしょう。
そこで本章では、家を売る理由を買主へ伝える際のコツについて解説します。
デメリットはメリットに変換する
メリットとデメリットは、基本的に表裏一体の関係です。ある場面ではメリットになることも、状況が変わればデメリットにもなることもありますし、もちろん逆もあり得ます。
よって、家を売る理由を買主へ伝える際は、デメリットはメリットに変換することを意識すると良いでしょう。
例えば、家を売る理由が「駅から離れていて、通勤・通学に不便だったから」という理由であったとしても、「閑静な住宅地で住みやすい」と言い換えることが可能です。
他にも、「周辺に商業施設がない⇒治安が良い」、「周辺に繁華街があって騒がしい⇒買い物には困らない」など、いくらでも工夫ができます。
人によってメリットとデメリットの捉え方は違うため、ネガティブな理由であったとしても、伝え方を工夫すれば、逆に買主の購買意欲を高めることも期待できるでしょう。
不動産業者と相談する
家を売る理由をどう買主に伝えるべきか悩んでしまったら、不動産業者に相談して判断を仰ぐのも1つの手です。
不動産業者は当然ながら、不動産売却のプロです。経験豊富なプロに相談すれば、「このケースでは、このように伝えると良い」といった、的確なアドバイスをもらえることも期待できるでしょう。
ただし、業者によって得意・不得意分野は異なるため、的確なアドバイスをもらえるような信頼できる不動産会社を見つけることが重要です。
もし、不動産会社をお探しであれば、一括で査定を依頼できる『サテイエ』がおすすめです。サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、あなたにぴったりの不動産会社がきっと見つかるでしょう。
家を売る理由についてのよくある質問
本章では参考として、家を売る理由についてのよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
Q1.買ったばかりの新築を売る場合には、新築扱いになる?
建築後1年以内、かつ未入居の家であれば、新築扱いになります(参照:e-Gov法令検索『住宅の品質確保の促進等に関する法律2条2項』)。
どんなに状態が良くても、一度でも住んでしまうと、新築ではなく築浅物件扱いになります。また、一度も住んでいなかったとしても、建築後1年が経過していると、新築ではなく未入居物件扱いになるため、注意が必要です。
Q2.理由によっては、高く売れるケースもある?
基本的にはありません。
前述の通り、家を売る理由によって売却価格が下がるケースはあるものの、高く売れるという想定はしない方が賢明でしょう。
家を少しでも高く売りたいのであれば、それよりも信頼できる不動産業者を見つけることの方が重要です。業者によって得意・不得意分野は異なるため、自分に合った不動産会社と契約を結ぶことが、より高く売れることに繋がるでしょう。
なお、自分に合った不動産会社を探すのであれば、一括で査定を依頼できる『サテイエ』が便利です。
Q3.リフォームをした方が売れる?
そうとも言い切れません。
というのも、最近は「自分の好みに合わせてリフォームをしたい」という買主が多く、へたにリフォームをしてしまうと、かえって売れにくくなるケースも増えているからです。
場合によっては、リフォーム代を売却価格の値引きに充てた方が、買主から喜ばれることもあるため、注意が必要です。
ただし、設備の故障などは、事前に対応しておいた方が良いでしょう。
家を売る際の査定はサテイエの利用がおすすめ
家を売るためには、まずは家の査定が必要となりますが、その際は複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる『サテイエ』が便利です。
サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、あなたにぴったりの不動産会社がきっと見つかります。
家の売却を検討している人は、サテイエを活用して、まずは家の査定を行ってみましょう。
家を売る理由まとめ
ここまで家を売る理由について、解説してきました。
家を売る代表的な理由
- 住み替えのため
- 相続のため
- 転勤・転職のため
- 離婚のため
- 住宅ローンの返済が困難になったため
- 不要物件の処分のため
家を売る理由は人によって様々ですが、ネガティブな理由であると、売却価格や売却期間に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
もしネガティブな理由で家を売る必要がある場合には、信頼できる不動産業者を見つけることが大切です。的確なアドバイスをくれる不動産業者と契約できれば、対策をしっかりと練ってくれるでしょう。
なお、信頼できる不動産会社を探したいのであれば、本記事でも紹介した『サテイエ』がおすすめです。サテイエは厳選された不動産会社1,000社以上と提携しているため、この機会に活用してみてはいかがでしょうか?
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