2023.07.26
住み替えの全知識を紹介|失敗しない手順や費用、税金対策までを全解説
「住み替えを検討しているけど手順が分からない…。」
「住み替えで失敗したくない…。」
このようにお悩みではないでしょうか。
住み替えは人生の中でもトップクラスに高額な金銭取引になるため、少しも損することなくお得に進めたいですよね。
そこでこのページでは、失敗しない手順や費用、税金対策まで、住み替えに関する全知識をまとめて解説します。
これから住み替えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
住み替えの方法|購入売却の流れと手順
まずはじめに、住み替えがどういった流れで進むのかについてです。
おおよその流れを理解しておくことでイメージが掴みやすくなりますので、しっかりと把握しておきましょう。
不動産の売却・購入の基本的な流れ
住み替えと聞くと難しく感じるかもしれませんが、実際にやることは不動産の売却と購入だけです。
そこでまずは、不動産売却と購入の流れをおおまかにおさらいします。
不動産売却の流れ | 不動産購入の流れ |
---|---|
不動産会社に依頼する | 新居探しをする |
売却活動を始める | 現地の内覧などを済ませる |
内覧や交渉などを対応する | 不動産会社に購入の申し込みをする |
購入者と売買契約を結ぶ | 売却者と売買契約を結ぶ |
不動産を引き渡して売却完了 | 支払いを済ませて購入完了 |
細かな部分を話すとキリがありませんが、おおよその流れは以上の通りです。
住み替えをする場合は、この2つのどちらかを先行して行います。
- 買い先行:先に購入してから後に売却をする
- 売り先行:先に売却してから後に購入する
もちろん確実にその通りに進むというわけではないので、ある程度スケジュールに余裕を持たせて計画を組むことが大切になります。
それでは、買い先行と売り先行はどちらが良いのかという点についてみていきます。
買い先行の流れとメリット・デメリット
買い先行は、先に住み替え先の物件を購入してから現在住んでいる物件を売却する方法です。
メリットとデメリットをまとめると以下の通りになります。
メリット | デメリット |
---|---|
・引っ越しが1回で済むため手間が省ける ・空き家の状態になるため旧居が売りやすい ・新居探しに時間がかけられる | ・二重ローンのリスクがある ・初期費用に資金が必要 |
買い先行は、初期資金がある方におすすめの方法です。
スケジュールに余裕を持たせられるだけでなく、新居も妥協せずに選ぶことができます。
次に紹介する売り先行もここで紹介する買い先行も選べるという方は、買い先行で住み替えを行うと良いでしょう。
売り先行の流れとメリット・デメリット
売り先行は、先に旧居を売却してから、その資金を利用して新居を購入する方法です。
メリット・デメリットをまとめると以下の通りになります。
メリット | デメリット |
---|---|
・旧居の売却額を初期費用に充てられる ・旧居を満足できる条件で売却できる | ・仮住まいが必要(引っ越しも2回) ・居住中の内覧対応になる ・新居探しに時間がかけづらい |
売り先行は、売却額を購入資金に充てたい方におすすめです。
買い先行と異なり、ある程度資金の流れを把握しながら住み替えを行えるため、しっかり資金管理しながら住み替えたい方にぴったりでしょう。
住み替えをする多くの方が資金繰りの面で、売り先行を選択すると言われています。
なお、売り先行は「買い換え特約」を利用するのもひとつの方法です。
買い換え特約を利用することで、売却金額が思ったよりも安い時に新居の購入をキャンセルすることができます。
対応してくれる売主さんの場合は、お願いしてみると良いでしょう。
住み替えでかかる費用相場
住み替えの流れが把握できたら、次にチェックしておきたいのが料金面です。
住み替えでは、購入する新居の料金に加えてさまざまな料金が発生します。
ここでは、不動産の売却で掛かる費用と購入でかかる費用それぞれに分けてみていきましょう。
不動産の売却でかかる費用
不動産の売却では、主に8種類の費用がかかります。
費用の名称 | 料金詳細 |
---|---|
不動産会社の仲介手数料 | 売却が完了した時に発生する仲介手数料。 取引額の3%+6万円(変動する可能性あり) |
印紙税 | 高額取引をする際の契約書にかかる税金。 10,000円~200,000円/枚 |
抵当権抹消費用 | ローン購入した際の担保になっている抵当権の抹消費用。 1,000円/件(土地と物件それぞれに発生) |
住宅ローンを一括返済する手数料 | 住宅ローンを一括返済する時にかかる手数料。 0円~30,000円(金融機関によって異なる) |
ハウスクリーニング代金 | 売却のためのハウスクリーニング代金。 5,000円~100,000円(必須ではない) |
譲渡所得税 | 不動産売却で利益が発生した際の税金。 利益額の14%~39%(所有年数によって異なる) |
引っ越し費用 | 引っ越し代金。 0円~ |
各種専門家に依頼する費用 | 専門家への依頼代金。 税理士:100,000円~200,000円 司法書士:10,000円~30,000円 土地家屋調査士:100,000円~ (いずれも必須ではない) |
不動産売却にかかる費用のほとんどは、不動産会社への仲介手数料です。
仮に不動産が3,000万円で売れたとすると、約100万円の仲介手数料が発生するため、ある程度まとまったお金がいることに注意してください。
なお、その他の費用については必須でないものも多いです。
適宜必要か不必要かを判断しつつ、売却を進めると良いでしょう。
不動産の購入でかかる費用
続いて、不動産の購入でかかる費用も主に8種類になります。
費用の名称 | 料金詳細 |
---|---|
不動産会社の仲介手数料 | 購入が完了した時に発生する仲介手数料。 取引額の3%+6万円(変動する可能性あり) |
印紙税 | 高額取引をする際の契約書にかかる税金。 10,000円~200,000円/枚 |
登記費用・登録免許税 | 不動産登記の名義を変更するための費用。 不動産価格の0.1%~2.0% |
不動産取得税 | 不動産を取得した時に発生する税金。 0円~固定資産税評価額の4% |
固定資産税清算金 | 不動産を所持することによる固定資産税。 固定資産税評価額の6分の1×1.4%の日割り |
修繕積立基金 | マンションの修繕積立の元になる一時金。 200,000円~400,000円(マンションでのみ発生) |
住宅ローンの諸費用 | 物件価格の3%~10% |
各種専門家に依頼する費用 | 司法書士:10,000円~30,000円(必須ではない) |
不動産購入時にかかる費用は新築で3~5%、中古物件で6~10%程度です。
ただし、これは住宅ローンの手数料などを抜きにした料金です。
全てを考慮すると不動産金額の10%前後はかかってしまうため、購入に関してもある程度まとまった資金が必要と言えるでしょう。
住み替えで失敗しがちなケース・注意点
住み替えをする際に確認しておきたいのが、「実際に失敗しがちなケース・注意点」です。
ここからは住み替えの過程で失敗してしまいがちなケースを3つ紹介します。
- 査定額と売却額が異なる
- 想定した期間通りに家の売却が進まない
- 住宅ローンが組めない・返済ができない
それぞれについてみていきましょう。
査定額と売却額が異なる
不動産会社が提示する査定金額と実際に売却できる際の売却金額は、基本的に一致しません。
基本的には売却額の方が安くなる傾向にあります。
ここで注意したいのが「査定額通りに資金計画を立てないこと」です。
査定額通りに資金計画を立ててしまうと、「思ったよりも金額が安くて新居を購入する金額が足りなかった…。」という事態に陥ってしまう可能性があります。
そのため、下がる可能性があるという点は理解した上で資金計画を立てるようにしましょう。
想定した期間通りに家の売却が進まない
不動産の売却は3~6ヶ月で完了するのが一般的ですが、中には1年経っても売却できないケースもあります。
そうなってしまうと、「旧居が思ったよりも売れず計画がズレてしまった…」「余計な引っ越しが必要になってしまった…」など、失敗してしまう可能性が高いです。
最悪の場合、住み替え自体が中止になってしまうこともあります。
そのため、住み替えを行う際はスケジュールに余裕を持たせて計画することが大切です。
住み替え完了までの期間は、最低でも1年は見ておくようにしましょう。
住宅ローンが組めない・返済ができない
住宅ローンに関する失敗もよくあるパターンです。
特によく起こりがちなのが、以下のようなケースになります。
- 年収が下がってローンが組めなかった
- 借入状況に問題がありローンが組めない(過去に延滞などが多い)
- 勤務年数が短くローンが組めない
- 売却した物件が安くローンが完済できなかった
- ダブルローンで返済が追い付かなかった
こういったローンに関する失敗は注意が必要です。
なお、住宅ローンは購入前に仮審査をすることができます。
審査が通るか不安な方は、不動産購入前に仮審査を依頼しておくと間違いないでしょう。
住み替えで使える税金対策と特例
続いて、住み替えでかかる税金の対策と控除に使える特例についてです。
基本的に、住み替えで使える税金対策・特例は3つです。
- 3,000万円の特別控除の特例
- 特定の居住用財産の買換えの特例
- マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
自分の売却金額や購入金額によって、どれがお得な特例になるかも異なりますので、しっかりとチェックした上で利用するようにしましょう。
3,000万円の特別控除の特例
特別控除の中で最もメインになるのが、「3,000万円の特別控除の特例」です。
この特例は、不動産売却で発生した利益のうち最大3,000万円までを控除できる特例になります。
3,000万円分の控除があればほぼ全ての利益を控除することができるため、実質譲渡所得税はなしになるでしょう。
適用条件は以下の通りです。
- 自宅あるいは自宅と土地や借地権を売る場合
- 以前に住んでいた不動産については、住まなくなった日から3年経過する日に属する年の12月31日までに売却した場合
- 不動産売却の前年および前々年にこの特例やマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例を適用されていないこと
- 売却の年の前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例を受けていないこと
- 売主と買主が親族でないこと
しっかり条件を確認した上で、申し込むようにしましょう。
なお、当サイト別記事「マンション売却の3,000万円特別控除とは|適用条件やその他の特例も紹介」ではより細かく解説していますので、気になる方はチェックしてみてください。
特定の居住用財産の買換えの特例
続いて2つ目が、「特定の居住用財産の買換えの特例」です。
マイホームを買い換えた時に適用できる特例で、本来発生する譲渡所得税を次の不動産売却時(今回購入する不動産の売却時)まで延期することができます。
適用するための条件は以下の通りです。
- 不動産売却の前年および前々年に3,000万円の特別控除やマイホーム売却の軽減税率、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例を受けていないこと
- 売却代金が1億円以下の場合
- 売主の居住期間が10年以上、かつ売却した年の1月1日において所有期間が10年を超える場合
- 買い換える建物の床面積が50平方メートル以上、買い換える土地の面積が500平方メートル以下であること
- マイホームを売った年の前年から翌年までの3年間にマイホームを買い換えること
なお、この特例が適用できるのは「売却額が購入額より安い場合」に限ります。
売却した旧居の方が高い場合はこの特例を利用できませんので、注意しましょう。
マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
3つ目は、「マイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。
この特例は、旧居の売却で損失が発生した場合に使えるもので、最大3年間、損失額と同額までを他の所得から控除できる特例になります。
特例の適用条件は以下の通りです。
- 自分が住んでいる不動産を売る場合
- 以前に住んでいた不動産については、住まなくなった日から3年経過する日に属する年の12月31日までに売却した場合
- 不動産売却の年の1月1日時点において、その不動産の所有期間が5年を超えていること
- 譲渡したマイホームの売買契約日の前日において、償還期間10年以上の住宅ローン残高があること
- マイホームの売却価格が住宅ローンの残高を下回ること
なお、この特例で控除できるのは最大3年間までです。
3年目以降に関しては、損失額が残っていたとしても控除できないため、注意してください。
住み替えで損せずお得に買い替える方法
ここからは住み替えで損せずお得に買い替えるための方法について解説します。
- 売却から購入までを信頼できる不動産会社1社に任せる
- 買い換え特約を利用する
- 事前に不動産の相場を調べておく
- 売り先行・買い先行どちらかを決めておく
それぞれのポイントについてみていきましょう。
売却から購入までを信頼できる不動産会社1社に任せる
住み替えを行う場合は、1社の不動産会社に全てを任せるようにしましょう。
住み替えは売却と購入の2つの作業を行うため、「それぞれ不動産会社を分けて依頼した方が良い」と考えるかもしれませんが、それよりも信頼できる1社に任せることをおすすめします。
なぜなら、住み替えはスケジュール管理が非常に重要になるからです。
複数の不動産会社に依頼してしまうと、不動産会社同士での連携が必要になるため、1社に頼むよりもリスクが高くなってしまいます。
それを考慮すると、1社に依頼した方がより確実にスケジュール通りに進められるでしょう。
なお、不動産会社選びでおすすめなのが「サテイエ」を利用することです。
サテイエでは、自分の地域や物件タイプに合わせた理想の不動産会社を見つけることができます。
これから住み替えを検討している方はぜひ利用してみてください。
買い換え特約を利用する
売主が交渉に応じてくれる場合は、買い換え特約を利用するようにしましょう。
買い換え特約は、「自分が売却予定の家が売却できなかった」「予定よりも安い額で売却してしまった」という場合に、購入契約をキャンセルすることができる契約です。
特に、売り先行で住み替えをする方におすすめしたい方法になります。
ただし、買い換え特約を了承してくれるかどうかは売主次第になりますので、無理強いはしないように注意しましょう。
事前に不動産の相場を調べておく
旧居を売却する前に、事前に不動産の相場を調べておくと良いでしょう。
事前に不動産の相場を調べておくことで、以下のメリットが受けられます。
- 金銭面の計画が立てやすくなる
- 不動産会社に提示される金額が妥当かどうか判断できる
- 今後の相場の変動などが予想できる
特に、金銭面に関してのメリットが非常に大きいです。
住み替えは大きな金額が動きますので、事前に調べられることはしっかり調べるようにしましょう。
なお、不動産相場は以下のサイトから調べられます。
しっかり調べてから、住み替えを計画するようにしましょう。
売り先行・買い先行どちらかを決めておく
住み替えをする前に「売り先行」か「買い先行」かを事前に決めておきましょう。
住み替えは、事前の準備が非常に重要です。
どういった流れで購入・売却を行うのか、どちらを先にするのかをしっかり決めた上で計画を練ることをおすすめします。
ただし、しっかり予定を立てても、その通りに進むことはほとんどありません。
どこかでイレギュラーが起きてしまいますので、そういった点も考慮した上でスケジュールに余裕を持たせるようにしましょう。
住み替えの不動産会社は「サテイエ」で決めよう
これから住み替えを検討している方は、不動産会社選びが最も重要な工程になります。
そのうえでおすすめしたいのが、不動産会社選びができる「サテイエ」です。
サテイエでは、自分の地域やエリア、物件タイプ、築年数などの条件に合った、理想の不動産会社を最大6社まで紹介してくれます。
自分にぴったりの不動産会社を簡単に見つけられますので、住み替えを検討している方はぜひ利用してみてください。
まとめ:住み替えの流れを理解して損せず進めよう
この記事では、住み替えの流れや注意点などをまとめて解説しました。
難しそうに思える住み替えですが、実際に流れや注意点、お得に進めるためのポイントを把握することで、損せず住み替えを行うことができます。
しっかりポイントを抑えた上でスケジュール管理することが重要になるでしょう。
なお、これから住み替えを検討している方におすすめしたいのが、「サテイエ」です。
住み替えで最も重要な不動産会社選びで役に立ちますので、ぜひ利用してみてください。
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